感染対策室
患者さんに安全・安心な医療を提供するために、院内感染対策の適切な実施は医療従事者における最優先事項です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経験し、新興感染症(過去には見られなかった新たな感染症)や再興感染症(過去に封じ込めたが再び流行する感染症)に備え、日頃から院内全体の標準予防策遵守率を高めておくこと、その準備(感染対策物品の備蓄や訓練)を十分に行っておくことがどれほど重要か痛感しました。
職員一人ひとりが感染対策に高い意識を持ち、病院全体で感染対策を適切かつ確実に実施することが必要です。
当院は平成18年4月から感染対策室に専従看護師を配置しました。多職種で構成したInfection Control Team:ICTを中心に各部署の感染担当者や医療安全管理者と連携して、感染対策を行っております。
感染管理組織
院内感染対策委員会
院内の感染対策に関する事項を決定する会議。
毎月、第3木曜日に委員会を開催しています。
ICT部会
院内感染対策の中心的組織として感染対策を検討・実行する会議。
毎月、第4火曜日に委員会を開催しています。
※感染管理上、問題が発生したときは臨時の会議を開き対応します。
感染リンクスタッフ部会
各部署で感染対策の中心となるスタッフが感染対策について学習・検討する会議。
この会では、感染対策の勉強会も行っています。
毎月、第4木曜日に会議を開催しています。
感染対策室スタッフ
感染対策室 室長 | 副院長 |
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感染対策室 副室長 | 感染管理認定看護師 |
院内感染対策委員会 構成員(21名)
院内感染対策委員長(感染対策室長) | 薬剤部長 |
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院内感染対策副委員長(ICN) | 企画課長 |
院長 | 管理課長 |
(副院長) | 経営企画室長 |
医療安全管理室長 | 臨床検査技師長 |
(統括診療部長) | 診療放射線技師長 |
(臨床研究部長) | 栄養管理室長 |
医局長 | 理学療法士長 |
診療部長 | 療育指導室長 |
事務部長 | 医療安全管理係長 |
看護部長 | 専門職 |
臨床工学技士長 |
ICT部会 構成員(7名)
ICT委員長(感染対策室長) |
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ICD |
感染管理(特定)認定看護師 |
薬剤師 |
臨床検査技師 |
専門職 |
感染リンクスタッフ部会 構成員(29名)
感染リンクスタッフ部会長(感染対策室長) | 臨床工学士 |
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感染リンクスタッフ副部会長(ICN) | 主任保育士 |
ICT医師 | 副看護部長 |
薬剤師 | 看護師長(2名) |
臨床検査技師 | 看護師(各看護単位より1名) |
診療放射線技師 | 医療安全係長 |
管理栄養士 | 教育担当師長 |
リハビリスタッフ | 専門職 |
研修医 | 医療安全管理副師長 |
サーベイランス
院内で検出される病原菌のデータ収集を行い感染対策に活用しています。
※検出率=病原菌検出患者数÷入院患者実数×100
※入院時培養検査を実施しているため保菌患者を含んだデータとなっています。
―手術部位感染(SSI)サーベイランス―
手術部位感染とは手術に関連した創の感染です。手術部位感染発生に影響する因子は、様々な研究によって明らかになってきます。感染対策の改善活動を行うためには、手術部位感染サーベイランスを実施し、自施設の感染率を把握する必要があります。当院は、2007年5月から心臓血管外科の血管手術/心臓手術を、2025年4月より外科、循環器内科(ペースメーカー)の手術部位感染サーベイランスを開始し、感染対策活動を行っています。
―血流感染(BSI)サーベイランス―
血流感染とは、血液中に微生物が侵入することによって起こる感染です。血流感染のリスクがある中心静脈カテーテルの管理を行うために、当院は2007年7月1日から、集中治療室における中心静脈カテーテル関連血流感染サーベイランスを開始しています。
―院内感染対策サーベイランス参加―
平成20年1月から、感染対策のために厚生労働省が主体となって行われている院内感染対策サーベイランスの検査部門、手術部位感染部門、集中治療部門、全入院患者部門に参加しています。
職業感染管理
針刺し・切創、皮膚粘膜汚染防止
職員の針刺し・切創事故発生時の対応と受傷後のフォロー検査の実施を行っています。 また、針刺し事故防止に関しては、医療安全管理者と連携し対策を行っています。
ワクチン接種
職員と患者様の感染対策のため職員のワクチン接種を実施しています。
インフルエンザワクチン接種
HBワクチン接種
麻疹・風疹・水痘・おたふくワクチン接種
結核対策
結核発症者に接触した職員と患者様の健康管理を実施しています。
結核は空気感染で、咳やくしゃみなどをした時に肺の中から結核菌が空気中に排出され、それを吸い込むことで感染します。ですから、いつどこで感染しているか分かりません。結核の症状である咳・痰・微熱などが続いている方は受診をお勧めします。また、咳がでる時はマスクを装着して受診してください。
感染症罹患時の就業制限
職員が感染症に罹患した場合は、患者様や職員を感染から守るために病原体の感染力などを考慮し就業制限をおこなっています。
COVID-19
インフルエンザ
感染性胃腸炎
流行性角結膜炎
流行性ウイルス疾患(麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘)
帯状疱疹(症状や部位による)
結核
疥癬
アウトブレイク対策
サーベイランスの結果から、院内での感染発生が疑われる事例が発生した時は、感染対策室が中心となって発生状況の把握、対策立案、対策実施の指示、実施評価を行います。
感染症発生原因の調査
接触者の追跡と管理(職員、患者様)
感染拡大防止策の実施
お知らせ
院内でのサージカルマスクの着用について
COVID-19のウイルスの特性(無症候性患者からの感染力が強いこと、はっきりした季節性がないこと等)から、来院される全ての方に院内にいる時には通年、常時サージカルマスクの着用をお願いしております。ご理解とご協力をお願いいたします。
感染症患者様の個室管理
感染性疾患(疑い含む)による入院の場合、他の患者さんや職員への感染防止のため、個室に入室していただくことがあります。病院には免疫機能が低下した患者さんが多く入院されておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
咳エチケット
病院には免疫機能の低下し感染しやすい患者さんが多くいらっしゃいます。咳やくしゃみをした時に排出する、痰・唾液・鼻水の中には多量の病原微生物(風邪のウイルス、結核菌等)等が含まれています。咳やくしゃみが出る方は、マスクを着用し、他の人にうつさないように咳エチケットの厳守をお願いします。